Mathpixを使って数式のスクショをLaTeX形式やWordのMathML形式に変換してみた

数式を打ち込むのはとにかく面倒なもの.
特に,pdf の数式を LaTeX や Word でただ書き写したいだけなのに,わざわざ打ち込まなくてはならないのは苦行そのものだ.

そこで,せめてスクショしたものをこれらの形式にそのまま変換できないかと思い,画像をスクショしLaTeX形式などに変換してくれるという Mathpix を使ってみた.

ダウンロード

公式ページはこちら

Mathpix Sniphttps://mathpix.com/

このページから,MacOS版,Windows版,Linux版,iOS版,Andoroid版の各種がダウンロードできる.

アプリをダウンロードしなくても,Web Editor があり,サインインすれば使用することが出来る.
ただし,2020/5/29現在,自分が見た限りでは Web Editor 版では画像から LaTeX 形式への変換はできるが,MathMLへの変換はできなさそうだ.
Office365版のWordならばLaTeX形式からでも変換できるらしいが,そうでなければWordへ貼り付けるのはMathMLとなる.
自分はMathMLで貼り付けなければならない…ということで,Windows版をダウンロードすることとする.

Windows版のダウンロードを押すと,mathpix_snipping_tool_setup.exe がダウンロードできた.

これを実行.

アプリを起動させるとアカウントの作成かログインが求められる.

無料アカウントと有料アカウントがあるが,主な違いは作成できるsnip数(スクショ回数)のようだ.
無料版だと1月当たり50まで,有料版だと制限が解放される.
無料版で十分かどうかはどの程度多用するか次第…そこまで使わないならば無料版で特に問題はなさそうだ.
有料版も月額$4.99程度なので,それほど複雑な数式を打ち込む機会が多いならば,試してみるのもありだと思われる.

作成されたアカウントに紐づけられて,保存したsnipが共有され,どのデバイスからも見れるようになる……のだと思う.
とりあえず,Web Editor版のデータはWindowsアプリ版でも見ることができた.

使ってみた

サインインすると,次のようなウィンドウが…

左上の青矢印がさしている画面のマークをクリックすると画面の任意の範囲をスクショでき,その部分が数式に変換される.

例として,Mathpix公式から出ている実例用のドキュメント(https://mathpix.com/examples.pdf)をスクショしてみたものを示す.

このようなスクショを撮ると…

このように表示される.

表示されたのが読み取られた数式である.
下段に,Latex形式のものが表示されており,読み取りミスがある場合はいずれかの段の右端のボタンを押すことで編集して修正可能である.
LaTeX形式,MathML形式はクリックすればコピー可能になっている.
これでLaTeXやWordへの貼り付けも一発である.

一番下に Confidence が表示されている.
これは公式が出している数式だから当然っちゃ当然だが信頼性Maxのようだ.
自作の適当な数式をスクショして試してみたところ,Confidenceは落ちるし,読み取りミスもそれなりにあった.
まあ,それは仕方ないだろう.AIの進化に期待である.

Dataタブを見てみると,次のようになっている.

ここで数式がAsciiMath, MathML, SVG の各形式でコピー可能である.
文中に数式が複数あるような場合は,式ごとに分かれて表示されるので,特定の数式のみを抜き取りたい場合は便利である.

最後の Original タブにはスクショした元画像が表示されている.

なお,このスクショされる数式は,なんと手書き文字でもいける.
もちろん,ある程度丁寧に書いたものでなければならないが,十分活用できそうなレベルである.
スマホ版と連携させれば,その場で手書き文字の写真を撮って共有することができ,一層便利ということだろう.