技術士一次試験 専門科目 建設部門 勉強メモ

土質

土の基本的物理量

土を構成する3相の重量,体積を表すのに次の記号を用いる.

  • 土全体の重量:\(W\)
  • 水の重量:\(W_w\)
  • 土粒子の重量:\(W_s\)
  • 土全体の体積:\(V\)
  • 空気の体積:\(V_a\)
  • 水の体積:\(V_w\)
  • 間隙の体積:\(V_v=V_a+V_w\)
  • 土粒子の体積:\(V_s\)

各層の体積に関する比率を表すパラメーターに次のようなものがある.

  • 間隙比 \(e=\frac{V_v}{V_s}\)
  • 間隙率 \(n=\frac{V_v}{V}=\frac{e}{1+e}\)
  • 飽和度 \(S_r=\frac{V_w}{V_v}\)
  • 体積含水率 \(\theta=\frac{V_w}{V}\)

各層の重量に関する比率を表すパラメーターに次のようなものがある.

  • 含水比 \(w=\frac{W_w}{W_s}\)

単位体積の各層の重量に関する比率を表すパラメーターに次のようなものがある.

  • 湿潤単位体積重量:土全体での体積重量 \(\gamma=\gamma_t=\frac{W}{V}\)
  • 湿潤単位体積重量:土粒子部分の体積重量 \(\gamma_d=\frac{W_s}{V}\)
  • 土粒子の比重:\(G_s=\frac{\gamma_s}{\gamma_w}\),ただし土粒子の単体重量が\(\gamma_s=\frac{W_s}{V_s}\),水の単体重量が\(\gamma_w\)

粒度

粒径名称
~0.005mm粘土
0.005mm~0.075mmシルト
0.075mm~0.25mm細砂
0.25mm~0.85mm中砂
0.85mm~2mm粗砂
2mm~4.75mm細礫
4.75mm~19mm中礫
19mm~75mm粗礫
75mm~

土のコンシステンシー

コンシステンシー:含水比の変化に伴う土の流動特性

粗粒度:粒度が工学的に意味を持つ
細粒度:土のコンシステンシーが重要になる

  • 液性限界(\(w_L\),LL):土が液体状から成形可能な塑性状となる境界の含水比.
  • 塑性限界(\(w_p\),PL):土が塑性状態からボロボロ分離して成形困難な半固体状態となる境界の含水比.

塑性指数:土が成形可能な塑性状態を保持し得る含水比の範囲を示すパラメーター
\[I_p=w_L-w_p\]

液性指数:その土が塑性状態を保持する含水比の範囲内で現在の含水量が相対的にどのくらいかを表すパラメーター.土の流動性を比較できる.
\[I_L=\frac{w-w_p}{w_L-w_p}=\frac{w-w_p}{I_p}\]

コンシステンシー指数:土の流動に対する抵抗性を表すパラメーター
\[I_c=\frac{w_L-w}{w_L-w_p}=\frac{w_L-w}{I_p}\]

鋭敏比 \(S_t=\frac{乱さない土の一軸圧縮強さ}{乱した土の一軸圧縮強さ}\)
液性指数の大きい土ほど鋭敏比は増大する.
鋭敏比500以上の攪乱を受けると強度が極端に低下する粘土をクイッククレイと呼ぶ.

砂の相対密度

砂の相対密度 \(D_r=\frac{e_{\text{max}}-e}{e_{\text{max}}-e_{\text{min}}}\)
\(e_{\text{max}}\):最大の間隙比
\(e_{\text{min}}\):最小の間隙比

土の締固め

ある一定エネルギーのもとで締固めを行うと,密度(感想単体重量)が最大となる含水比が存在する.これが最適含水比である.

透水

Darcy(ダルシー)の法則

土中を流れる水の流速\(v\)は流れが生じている区間の動水勾配\(i\)に比例する.
\[v=ki\]
ここで,\(k\)は透水係数.次元はcm/s.

その区間の水頭差を\(h\),長さを\(L\),断面積を\(A\)とすれば,
動水勾配は,\(i=h/L\),
流量は,\(Q=vA=kAi=kAh/L\)

地下水の流れについては,速度水頭は十分に小さいので無視することができ,位置水頭と圧力水頭のみ考えれば十分である.

透水試験

土の透水係数を求める試験が透水試験である.
透水試験には,室内透水試験(定水位透水試験,変水位透水試験)と現場試験(揚水試験)がある.

定水位透水試験:透水性の高い砂質土(\(k=10^{-2}~10^{-3}\)程度)に適応される.

変水位透水試験:透水性の低いシルト質土(\(k=10^{-3}\sim10^{-6}\)程度)に適応される.

斜面の安定

土石流:山腹や川底の石、土砂が長雨や集中豪雨などによって一気に下流へと押し流される現象.時速20~40kmの速度で一瞬のうちに人家や畑などを壊滅させる.

地すべり:斜面の一部あるいは全部が地下水の影響と重力によってゆっくりと斜面下方に移動する現象.

土圧

壁体の変位に伴う土圧の変化を考えたとき,

  • 静止土圧状態:壁体が静止しているとき
  • 主働土圧状態:土が壁体を押すとき
  • 受働土圧状態:壁体が土を押すとき

である.

ランキンの土圧理論:壁の背後地盤全体が破壊に達した状態を仮定して土圧を導き出す.

クーロンの土圧理論:壁の背後地盤がくさび状に滑る状態を仮定し,力のつり合いから土圧を導きだす.

基礎

  • 直接基礎
  • 杭基礎
    • 支持杭
    • 摩擦杭

杭の周囲の地盤が低下するとき,杭に負の摩擦力が生じる.負の摩擦力が働くと,杭材に大きな軸力が付加され,杭先端地盤に大きな荷重が作用する.

圧密

  • 即時沈下:即時的に進行する沈下.砂や礫の排水が起きることなどで生じる.砂質土で起きやすい.
  • 圧密沈下:長時間かけて土中の水分が抜け,土の体積が減少して起きる沈下.粘性土で起きやすい.

圧密降伏応力:粘土が弾性的(可逆的)な挙動を示す過圧密の範囲から塑性的(非可逆的)な挙動を示す正規圧密の範囲に移行する境界の応力である.

過圧密比(\(OCR\)):有効土被り圧\(p_0\)に対する圧密降伏応力\(p_c\)の比.
\[OCR=\frac{p_c}{p_0}\]
過去に現在の荷重よりも最も大きな荷重(圧密先行圧力)を受けた粘土を過圧密粘土と呼び,その過圧密比は1を超える.現在の荷重がその年度が受けた荷重に等しい粘土は正規圧密粘土と呼ばれ,\(OCR=1\)である.

土のせん断

一軸圧縮試験で土のせん断強度を求めるとき,得られた一軸圧縮強度を\(q_u\)とすると,非排水せん断強度は,\(c_u=q_u/2\)である.

粘性土の内部摩擦角は0°.

ダイレクタンシー

せん断応力によって体積変化が生じる現象.

体積が膨張する正のダイレクタンシーと収縮する負のダイレクタンシーがある.
どちらになるかは土の密度に依存する.

構造

断面諸量

幅\(b\),高さ\(h\),z軸が中心横方向にある長方形断面の時,

  • 断面一次モーメント \(S_z=\int_A ydA (=0)\)
  • 断面二次モーメント \(I_z=\int_A y^2dA =\frac{bh^3}{12}\)
  • 断面係数 \(Z=\frac{I_z}{e}=\frac{bh^2}{6}\)
    • \(e=h/2\)
  • 断面二次半径 \(k=\sqrt{I/A}=\frac{h}{\sqrt{12}}\)

梁のたわみ

せん断力を\(F\)とすると,曲げモーメント \(\frac{dM}{dx}=F\)

たわみの基礎式 \(EI\frac{d^2y}{dx^2}=-M(x)\)

片持ち梁の最大たわみ \(y_{\text{max}}=\frac{Pl^3}{3EI}\)

座屈

柱の長さを\(l\),断面二次半径を\(k\)とすると,細長比\(\lambda\)は,
\[\lambda=\frac{l}{k}\]

両端回転支持の場合,弾性係数を\(E\), 断面二次モーメントを\(I\)として,座屈荷重は,
\[P_cr=\frac{\pi^2EI}{l^2}\]

鋼構造

継手

高力ボルトには次の3つがある.

  • 摩擦接合:高力ボルトで母材,連結版を締付け,それらの間の摩擦力によって応力を伝達させる方式
  • 引張接合:継手面に発生させた接触圧力を介して応力を伝達させる方式
  • 支圧接合:ボルトのせん断変形によって応力を伝達する.支圧接合と溶接では力と変位の関係が著しく異なっているので,両者は併用しない.

参考:https://www.st.nagasaki-u.ac.jp/ken/matsuda/lecture/steel_st/ohp-13.pdf

溶接は,できるだけ下向き溶接が可能な構造とする.

まわし溶接:直行する面の端部を回して溶接すること.
一般的に,まわし溶接は溶接部の強度に含まないか,まわし溶接部を含めて溶接サイズの2倍を減じた値を有効長さとする.

非破壊試験

浸透探傷試験:試験体表面に赤色や蛍光色の浸透液を塗布し,きずの中に浸透させた後,表面に残った浸透液を除去し,きずの中に残った浸透液を現像剤の微粉末で吸い出し,元のきずと比べて拡大された,周りとのコントラストが大きい像を形成する.
参考(Wikipedia):https://ja.wikipedia.org/wiki/浸透探傷試験

道路橋

自動車荷重

  • A活荷重:大型車交通量の少ない道路用.具体的には,高速自動車国道・一般国道・都道府県道,kれらの道路と基幹的な道路を形成する幹線市町村道
  • B活荷重:重要な路線、大型車交通量の多い路線用
  • T荷重:車両総重量25t(250kN)の大型トラックにおける後輪荷重のモデル
  • L荷重:交通荷重群のモデル.等分布荷重.

つり橋の主ケーブルおよび補剛桁を設計する際には衝撃の影響は考慮しない.

BMS: 橋梁維持管理システム(Bridge Management System)

LSC: ライフサイクルコスト,建設に加えて維持管理,架け替えを含めたトータルのコスト

鋼材の腐食

耐候性鋼: 鋼表面に保護性錆を形成するように設計された低鉄合金鋼.腐食性が低い環境で適用される.

コンクリート

セメント

ポルトランドセメントの種類

  • 普通ポルトランドセメント:もっとも一般的なセメント.日本の全セメント量の70%弱に使用.
  • 早強ポルトランドセメント:早期に強度が得られる(3日で普通ポルトランドセメントの7日強度に相当)プレストレスコンクリート,寒中コンクリート,工場製品などに用いられる.
  • 超早強ポルトランドセメント:早強ポルトランドセメントの3日強度を1日で発現する.
  • 中庸熱ポルトランドセメント:水和熱が抑えられるコンクリート.初期の強度発言は遅いが,長期にわたって強度を発現する.ダムなどのマスコンクリートに使用.
  • 低熱ポルトランドセメント:中庸熱ポルトランドセメントより水和熱が下がる.マスコンクリート,高強度コンクリート,高流動コンクリートに使用.
  • 耐硫酸塩ポルトランドセメント:硫酸塩との反応性が小さいコンクリート.硫酸塩を含む土壌地帯での構造物に適す.

混合セメント

  • 高炉セメント:高炉スラグ微粉末を混合したセメント.日本の全セメント量の25%程度に使用.
    初期強度は低いが,長期にわたって強度を発現する.
    化学抵抗性,耐熱性,水密性,アルカリ骨材反応に対する抵抗性能などに優れる.
  • シリカセメント:純度の高いけい石などの粉末を混合したもの
  • フライアッシュセメント:石炭火力発電所の燃焼時に発生するフライアッシュを混合したもの.コンクリートのワーカビリティが向上する.
  • エコセメント:都市ごみ焼却灰などの廃棄物を主原料としたセメント.

配合設計

水セメント比:セメント量に対する水量の質量比率.\(W/C\).
小さいほど,コンクリートの強度は大きくなり,通常60%以下.

細骨材率が高くなり過ぎると,単位セメント量や単位水量が大きくなる.

コンクリートの空気量は,粗骨材の最大寸法,その他に応じてコンクリート容積の4~7%を標準とする.

コンクリートの性能

ワーカビリティ

コンクリートの変形および流動に対する抵抗性(コンシステンシー)と材料分離に対する抵抗性を合わせた作業性能

強度

コンクリートの強度は一般に,

  • 圧縮強度:18~150N/mm2
  • 引張強度:圧縮強度の1/10~1/13

コンクリートの強度は標準養生した材齢28日における供試体強度によって判定する.

クリープ

持続荷重の場合,弾性ひずみに加えて時間経過とともにひずみが増大し,これをクリープという.
主たる機構は,持続載荷による水の移動であるとされる.

クリープに影響する因子として,

  • 部材寸法が小さいほど,クリープひずみは大きくなる.(内部の水が外部に出やすいため)
  • セメントペースト量が多いほど,クリープひずみは大きくなる.
  • 水セメント比が大きいほど,クリープひずみは大きくなる.
  • 組織が疎あるいは粒度が不適当な骨材を用いると,クリープひずみは大きくなる.
  • 載荷応力が大きいほど,クリープひずみは大きくなる.
  • 載荷時材齢が若いほど,クリープひずみは大きくなる.
  • 載荷期間中の大気湿度が低いほど,クリープひずみは大きくなる.

施工

コンクリートの練り混ぜから打ち込み終了までの時間は,外気温が25℃以下で2時間以内,25℃を超えるときは,1.5時間以内を標準とする.

耐久性

中性化

硬化したコンクリートが空気中の炭酸ガスの作用を受けて次第にアルカリ性を失っていく現象.これによるコンクリート内の鋼材の腐食が問題となる.

対策として,水セメント比を下げ,中性化が鋼材に達するのを遅くすることがあげられる.

鉄筋コンクリート

鉄筋のかぶりは,鉄筋の直径に施行誤差を加えた値よりも大きくしなければならない.

プレストレストコンクリート

プレテンション方式とポストテンション方式

参考:https://www.pcken.or.jp/pdf/pcpress_vol26/pcpress_vol26_004.pdf

都市計画・地方計画

都市計画区域

都市計画地域:都市計画をするうえで,一体の都市として捉える必要がある区域.

市街化区域:すでに市街地になっている区域や計画的に市街地にしていく区域
市街化調整区域:市街化をおさえる区域
都市計画区域のうち,これらの区域区分が決められた区域を線引き都市計画区域,決められてない区域を非線引き都市計画区域と呼ぶ.

準都市計画区域 → 都道府県が指定

高度地区:建物の高さの最低限度・最高限度が定まる
高度利用地区:容積率の最高・最低限度,建蔽率の最高限度,敷地面積の最低限度が定まる
低層で土地が細分化された密集市街地で、一体的な再開発を行ない、高層ビルなどの高い建物を建てられるようにした地区

特別用途地区:用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るための地区

特定用途制限地域:用途地域が定められていない土地の区域において、その良好な環境の形成又は保持のため該当地域の特性に応じて、合理的な土地利用が行われるよう、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域

用途地域

住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもの.

市街化区域内に必ず定めまる.市街化調整区域では原則として定めない.

  • 第一種低層住居専用地域:小規模な住宅、小・中学校、診療所、寺院などが建築可能な地域.高さ規制があり、10mまたは12m以下(3階建てぐらい)になるように制限がかけられている.
  • 第二種低層住居専用地域:第一種低層住居専用地域の用途に加えて、コンビニなどの小規模な店舗や飲食店も認められる(150平米まで).
  • 第一種中高層住居専用地域:住宅、病院、高校・大学、中規模の店舗や飲食店などが建築可能な地域.高さ制限はないが、日影規制と呼ばれる一定時間以上の日照時間を確保するための制限が設けられている.容積率(延床面積の敷地面積に対する割合)が高く指定されているため、主に中高層マンションが建ち並ぶ地域となる.
  • 第二種中高層住居専用地域:第一種中高層住居専用地域の用途に加えて、中規模のオフィスビルや1,500平米までの店舗も認められる.
  • 第一種住居地域:住宅、病院、大学、店舗や飲食店、オフィスビル、ホテルなどが建築可能な地域.高さ制限がないことや日影規制があること等に関しては、第一種中高層住居専用地域と同じ.また、指定される容積率も第一種中高層住居専用地域とほぼ同等またはそれ以下になる.
  • 第二種住居地域:第一種住居地域の用途に加えて、パチンコ店やカラオケ店も認められる.
  • 田園住居地域:農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅の良好な住環境を保護するための地域.2018年に新たに追加.
  • 準住居地域:第二種住居地域の用途に加えて、営業用倉庫や、小規模な工場、自動車修理工場も認められる.幹線道路沿いの業務の利便に加えて住居との調和を図る地域.
  • 近隣商業地域:住環境悪化の恐れがある工場や、危険性の高い工場以外は、さまざまな用途の建築可能な地域.ただし、キャバレーやナイトクラブ、個室付浴場の建築は認められない.近隣住民への日用品を供給する商業の利便を増進する地域.
  • 商業地域:近隣商業地域と異なり、キャバレーやナイトクラブ、個室付浴場の建築も認められる.
  • 準工業地域:住環境悪化の恐れがある工場や、危険性の高い工場、個室付浴場以外は、さまざまな用途の建築可能な地域.
  • 工業地域:どんな工場でも建てることが可能な地域.学校や病院、ホテル、映画館などの建築は認められない.住宅や店舗の建設は可能.
  • 工業専用地域:専ら工業の利便を促進する地域.

参考:https://o-uccino.com/front/articles/75735

白紙地域:都市計画区域内で用途地域の指定がない地域

都市計画決定

都市計画区域の整備,開発及び保全の方針に関する都市計画は都道府県が定める.

都市施設

都市施設を定める基準

  • 市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域(いわゆる非線引き区域)では、必ず、道路、公園、下水道を定めなければならない。
  • 住居系の用途地域内では、必ず義務教育施設を定めなければならない.
  • 都市施設は原則として都市計画区域内で定めるが、特に必要があるときは、都市計画区域の外で定めることもできる.

市街地再開発

事業の種類

  • 第一種市街地再開発事業(権利変換方式):権利変換手続きにより、従前建物、土地所有者等の権利を再開発ビルの床に関する権利に原則として等価で変換する。
  • 第二種市街地再開発事業(管理処分方式/用地買収方式):公共性、緊急性が著しく高い事業で、一旦施行地区内の建物・土地等を施行者が買収又は収用し、買収又は収用された者が希望すれば、その対償に代えて再開発ビルの床を与える。

参考:https://www.mlit.go.jp/crd/city/sigaiti/shuhou/saikaihatsu/saikaihatsu.htm

公共交通

トランジットモール:都心部の商業地等において、自動車の通行を制限し歩行者と路面を 走行する公共交通機関とによる空間を創出し、歩行者の安全性の向上、都心商業地の魅力向上な どを図る歩行者空間

河川・砂防及び海岸・海洋

ベルヌーイの定理

非圧縮性完全流体の定常流れにおいて,
\[\frac{v^2}{2g}+z+\frac{p}{\rho g}=\text{一定}\]
ここで,\(g\)を重力加速度,\(\rho\)を水の密度,\(v\)を高さ\(z\)の点における流速,\(p\)を高さ高さ\(z\)の点における水圧とする.

開水路

Manning(マニング)の平均流速公式
\[v=\frac{1}{n}R^{2/3}I^{1/2}\]
ここで,\(n\)は粗度係数(水路床の粗さを表すパラメータ),\(I\)は勾配,\(R\)は怪深.

等流水深 \(h_0\)

フルード数
\[F_r=\frac{v}{\sqrt{gh}}\]

限界水深 \(h_c=(\frac{q^2}{g})^{1/3}\)
ここで,\(q\)は単位幅流量.
限界水深は水路勾配に無関係である.

常流
フルード数が1未満,水深が限界水深より大きい

射流
フルード数が1より大きい,水深が限界水深より小さい

限界勾配:等流水深と限界水深が一致
緩勾配:等流水深は限界水深より大きい→常流
急勾配:等流水深は限界水深より小さい→射流

管路

ピエゾ水頭 = 圧力水頭 + 位置水頭

管路の摩擦損失水頭は,管径に半比例,管路の長さに比例,断面平均流速の2乗に比例して大きくなる.

ピトー管:先端の流速0のよどみ点で総圧,側面の穴で静圧を測り,その差から流速を測る.

河川堤防

一般の堤防は,計画高水位以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造になるよう,耐浸透性,および耐浸食性について設計する.

天端工/天端保護工:護岸の構成要素の1つで、原理的には、低水護岸が流水より裏側から侵食されることを防止するため、適宜設置されるもの

ダム

ダム湖の上流には掃流砂が堆積
ダム堤体付近にはウォッシュロードのようなヘドロが溜まる

砂防

水制工:流速減少,水はねを目的に設置

土砂災害

土砂災害警戒区域,土砂災害特別警戒区域は都道府県知事が指定する.

土砂運搬

河川の湾曲部では,大きい粒形の砂礫ほど,外岸側へ輸送されやすい

掃流砂:河床近傍を移動する土砂粒子.運動形態として滑動,転動,躍動がある.流下していく土砂は河床にある土砂と入れ替わりながら流下する.

浮遊砂:河床から離れた細かい土砂が水中を浮流しながら流下する.流れが弱くなると土砂は河床に沈降する(土砂の堆積).流れが強くなれば再び浮遊する.

ウォッシュロード:土砂生産源から河川に流入し,一度も河床の土砂と入れ替わることなく流下するよう土砂.濁水のような状態.

河川計画

洪水防御計画は,計画基準点において,計画の基本となる洪水のハイドログラフ(基本高水)を設定し,それに対し,洪水防御効果が確保されるよう策定する.
本流と支流で計画規模は異なる.

海岸工学

浅水変形:波が水深の浅い海域(浅海域)に進入したときに、海底の影響を受けて波高、波速、波長が変化すること.周期は変化しないので注意.

ある地点で連続する波を1つずつ観測したとき、波高の高い方から順に全体の1/3の個数の波(例えば100個の波が観測された場合、高い方から33個の波)を選び、これらの波高および周期を平均したものをそれぞれ有義波高、有義波周期と呼び、その波高と周期を持つ仮想的な波を有義波(1/3最大波)と呼ぶ.

深海波:水深が波長の1/2より大きく,海底の影響をほとんど受けない波.波速\(C\)は近似的に波長\(L\)のみで決まり,
\[C=\sqrt{\frac{gL}{2\pi}}\]

浅海波:水深が波長の1/20~1/2

長波:水深が波長の1/20よりも小さいとき.波速\(C\)は近似的に水深\(h\)のみで決まり,
\[C=\sqrt{gh}\]

正常海浜:段(ステップ地形)を有する.
暴風海浜:沿岸砂州を有する.

波の屈折:スネルの法則が適用される.(光と同じ)

港湾・空港

防波堤

傾斜堤

  • 軟弱な海底地盤にも適用しやすい。
  • 施工が容易である。
  • 維持補修が容易である。
  • 反射波の発生が少ない。

直立堤

  • 断面積が小さく材料費を軽減できる。
  • 港口を広くしないでも有効港口幅が確保できる。
  • 防波堤背面を係船護岸として利用できる。

混成堤

  • 水深の大きな場所に建設できる。
  • 基礎地盤の不陸に対応しやすい。
  • 直立部があるので、傾斜堤に比べて材料が少なくて済む

参考:https://www.umeshunkyo.or.jp/108/prom/219/index.html

港湾の航路幅員は,航路が比較的長く船舶が頻繁に行きかう場合,対象船舶の全長の2倍とする.

空港

着陸帯:航空機が滑走路内から逸脱した場合に、航空機の損傷を軽微にとどめるため、また、 航空機の安全な着陸復行を行うために設けられる区域。 滑走路等舗装された区域を除き、整地および植生等を行うこととしている。

平行誘導路:主に着陸回数の多い空港に設置される.

参考:https://www.ysk.nilim.go.jp/kakubu/kukou/sekou/page1RN.html

グルービング:滑走路面に設けられた溝.制動距離の短縮,ハイドロプレーニング現象の防止のために設けられている.